その他

新春のご挨拶

新年、明けましておめでとうございます。
旧年中は、格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

■ 2023年の振り返りと2024年の見通し

2023年は、ロシアのウクライナ侵攻の長期化、欧米経済の減速、中国経済の不動産バブルの崩壊等、世界経済は停滞する一方で、日本経済は物価高の影響等を受けつつも緩やかな景気の回復傾向が続きました。その中で、当事務所は、多くのクライアントの皆様から多大なるご信頼を賜り、数多くの業務をご支援させていただきました。皆様に改めて感謝申し上げます。

2024年、日本企業は、人口減少・国内市場の縮小、テクノロジーのイノベーション(生成AI等)、気候変動とエネルギーシフト、グローバル化と脱グローバル化、地政学的リスクと経済安全保障等、外部環境の変化と不確実性に直面します。こうした状況下で、企業経営者は、時代の変化を読み取り潮流を味方につけ、成長戦略を策定・実行し、ガバナンス・コンプライアンスの強化の要請に応えながら、自社の競争優位を高めていくことが求められます。当事務所は、不連続で不確実な時代の企業経営を全力でご支援します。

以下、2024年新春の抱負と、当事務所の主要業務の主なトピックをご紹介します。

■ 2024年新春の抱負 - 業容拡大に伴うオフィス移転のお知らせ

・ 2024年4月1日で設立5周年

当事務所は、2024年4月1日に設立5周年を迎えます。2024年1月時点で弁護士・外国法弁護士が約30名、バックオフィスを含め総勢40数名の陣容となります。当事務所は、「日本発のグローバルファーム」として、時代の変化に即応し、日本企業・グローバル企業の経営課題に関わる法的ニーズを捉え、付加価値の高いリーガルサービスを提供し、不連続で不確実な時代におけるクライアント企業の事業成功のため全力で支援していきます。

・ 業容拡大に伴うオフィス移転(2024年2月14日)

当事務所は、高度化・複雑化するクライアント企業のリーガルニーズにお応えできるよう、業容を大幅に拡大するため、2024年2月14日から、以下の住所に移転します。

【新住所(2024年2月14日から)】
〒107-6024 東京都港区赤坂1丁目12番32号
アーク森ビル24階

・ 新春の抱負

当事務所は、所属メンバーの全員が誇りとやりがいに満ちた仕事に存分に取り組み、成長を実感し、職業人としての幸福を感じられるよう、働き甲斐のある職場をつくること、それにより、全メンバーが心身ともに万全の状態でクライアント企業の皆様からのご相談に全力で取り組み、クライアント企業の成功に向けて、期待を上回るサービスをご提供できる体制を構築していくことに万全を期して参ります。

■ M&A、訴訟・仲裁、EPC・インフラ・再エネ、危機管理・不正調査 – 最新トピック

・ 海外M&Aの増加(欧米、アジア等)

2023年は、日本企業の海外M&Aをご相談いただく件数が大幅に増加しました。成約案件と途中で中止となった案件を含め、米国等の北米、インド、中国等のアジア、英国・欧州等で、日本企業の買収・売却案件、投資案件を多数ご支援しました。当事務所は、欧米、アジアを中心に約50-60の国・地域で200超の提携先の現地事務所との独自のネットワークを築き、日本企業の海外M&Aを支援する体制を構築しています。また、海外M&Aにおいても国内案件と同じビラブル・レートを適用しており、日本企業にとって大きなメリットになるものと思います。

・ 国内M&A – 上場会社のMBO、公開買付け(TOB)に関するご相談の増加

日本企業の国内M&Aについては、上場会社による買収・売却案件、投資案件を多数ご支援しました。とりわけ、2023年は、公表に至らない案件を含め、上場会社のマネジメントバイアウト(MBO)、事業会社による上場会社に対する同意なき買収提案や対抗買収提案の検討等、上場会社を対象とするTOBに関するご相談が増加しました。

・ 日本経済新聞・2023年M&A弁護士ランキング(総合)トップ20に2名がランクイン

当事務所のM&Aの実績は外部からも高い評価を受け、日本経済新聞・2023年M&A弁護士ランキングの総合ランキングトップ20に当事務所の弁護士2名(森幹晴、山田広毅)がランクインしました。皆様からのご支援に改めて感謝を申し上げます。

・ 「場面別 公開買付けの実務」の出版 – 先着50名様に献本(要申込み)

2023年10月、中央経済社より「場面別 公開買付けの実務」を出版しました。TOBの法規制や手続、最新実務を整理すると共に、特定株主からの相対取得型、資本業務提携型、スクイーズ・アウト型、敵対的買収(同意なき買収)等、取引場面ごとに留意点を解説し、実務の参考になるリーディング・ケースや最新事例を豊富に収録しています。

・ 訴訟・仲裁件数の増加

2023年は、訴訟・仲裁チームを強化したことで、複雑な訴訟案件、国際商事仲裁案件の数が増加し、勝訴、勝訴的和解で多数の実績を上げました。非上場会社の支配権をめぐる争いに関する仮処分事件(東京地裁・東京高裁で連勝)、米国での商標権侵害をめぐる米国訴訟(勝訴)、企業間の契約トラブルに関する訴訟(勝訴的和解)、M&Aに関する紛争(勝訴的解決)、複数の大型の証券訴訟、上場会社の株式価値の争い(株式買取価格決定申立)、国際的な取引に関わる企業間のPL・不法行為訴訟、東南アジアでの建設工事案件における現地下請企業との紛争に関する交渉支援、複数の国際仲裁案件等、様々な紛争案件でクライアント企業を支援しました。

・ EPC・インフラ・再エネ案件の増加

エネルギーシフトの動向を反映して、インフラ・再エネ案件(プラント建設、太陽光、風力、バイオマス等)に関するご相談を受け、EPC契約の交渉支援、FIT制度からFIP制度移行に伴うコーポレートPPA案件等、クライアント企業を支援しました。

・ 危機管理・不正調査

高まる企業の危機管理・不正調査対応のニーズに応えるため、公認不正検査士、公正取引委員会・検察官出身者をチームに加え強化を図りました。当事務所は、グローバルなコンプライアンス、不正調査、リスク管理体制の構築等の対応力に特徴があります。危機管理・不正調査では、上場会社の不正事案における第三者委員会の委員就任及び調査の実行、日本企業の海外での個人情報漏洩対応と個人情報保護体制の構築に関する助言等、クライアント企業を支援しました。

・ リモート・インハウスサービス

企業の法務部の人材不足の課題に対応するため、当事務所の弁護士等が企業の法務部員の一員として法務部の業務を支援する「TKIリモート・インハウスサービス」を提供しています。2023年も多数の導入企業を支援しました。外国法弁護士と協働し、国際法務やグローバルな対応も行っております。また、若手の法務部員の方の育成のご要望にも応えながら、法務部の皆様にご満足いただけるよう、サービス内容の向上に努めて参ります。

昨年、TKIリモート・インハウスサービスを担当した弁護士による座談会を行いましたので、ぜひ対談記事もご覧ください。
TKIリモート・インハウスサービスで法務の仕事をさらに魅力的なものにする

・ ビジネス法務2024年1月号に特集記事を寄稿(2024を占う5テーマ 国際ビジネス法務の“New Standard”)

国際ビジネス法務の最前線に立つ当事務所の弁護士等が執筆陣となり、ビジネス法務2024年1月号に特集記事を寄稿しました(2024を占う5テーマ 国際ビジネス法務の“New Standard”)。国際裁判管轄・国際仲裁、競争法、生成AI・知的財産法、海外EPC契約、国際M&Aと海外投資規制等、多様なトピックをそろえ、各分野の最前線をご紹介しています。ぜひ雑誌を手に取ってご一読いただけますと幸いです。

本年も、実践から得られたノウハウや洞察を整理し、ニュースレター、セミナー、弁護士のインタビュー企画等、クライアント企業の皆様のお役に立てる質の高い情報提供にも努めて参ります。

本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2024年 新春