新春のご挨拶
新年、明けましておめでとうございます。
旧年中は、格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
2022年は、コロナ禍からの経済活動の回復が進む反面、ロシアのウクライナ侵攻、米中対立、米国の利上げと急速な円安等、世界経済の停滞・不確実性が高まり、日本経済も減速傾向となりました。その中でも、当事務所は、継続クライアントに加え、多くの新規クライアントからご信頼いただき、数多くの業務をご支援させていただく機会を賜りました。
東京国際法律事務所は、2023年4月1日に4周年を迎えます。2019年4月に事務所を設立した当時は、弁護士5名、バックオフィス2名の総勢7名の体制でしたが、2023年1月時点で弁護士等22名(日本法資格弁護士18名、外国法資格弁護士4名)、バックオフィス9名の総勢31名の陣容になりました。ひとえに皆様方のおかげによるもので、改めて感謝申し上げます。
当事務所は、時代の変化と日本企業及びグローバル企業の充たされていない法的ニーズを捉え、付加価値の高い事業領域をそろえ、「日本発のグローバル・トップファーム」を目指します。2023年も、クライアント企業の皆様を全力でご支援し、更なる体制強化に取り組んで参ります。
以下、当事務所の2022年の主な業務を振り返り、2023年新春の抱負をご紹介します。
■ M&A(海外・国内)、訴訟・仲裁、EPC・インフラ・再エネ取引の充実
(海外M&A)
米国に加え、欧州や中国にも拠点を有する米国企業の日本メーカーによる買収、日本メーカーのインド進出案件、インド合弁事業の再編、日本企業と欧州企業との合弁契約の交渉、日本拠点を有するアジア企業のDe-SPAC取引の支援(日本法カウンセル)、日本のスタートアップ企業による海外機関投資家からの大型の資金調達等、多数の海外M&Aに関与する機会を得て、事務所としての実績を積むことができました。
(国内M&A)
建設会社のアクティビスト対策として第三者割当増資と自社株TOBを組み合わせたホワイトナイトとの資本業務提携(特別委員会の委員長への就任)、Private Equity FundによるTOBに対するオーナー株主側での支援、上場会社による子会社のカーブアウト(経営陣によるMBO)の支援、買収側・売却側の双方で複数のPrivate Equity取引への関与等、上場会社のアクティビスト対策やTOB/MBO案件への関与等で実績を積みました。
(訴訟・仲裁)
日本の多国籍コングロマリット企業のオーナー家の争いに関する訴訟で勝訴的和解を勝ち取ったほか、大型の証券訴訟、国際的な取引に関わる企業間のPL・不法行為訴訟、M&Aに関する表明保証違反等に基づく補償請求に係る紛争、国内建設工事をめぐる下請企業との紛争に関する和解協議の支援(訴訟前)、アジアでの建設工事案件における現地下請企業との紛争に関する和解協議の支援(仲裁前)等、様々な紛争案件で実績を積みました。「訴訟・仲裁に強い法律事務所」として、訴訟・仲裁業務の更なる体制強化を図って参ります。
(EPC・インフラ・再エネ取引)
国際的な洋上風力案件に関する追加出資の支援、半導体製造工場の新設に伴う排水回収・排水処理設備の納入に係る契約交渉の支援、国内外の多数のインフラ・再エネプロジェクト(プラント建設、太陽光、風力、バイオマス等)、FIT制度からFIP制度移行に伴うコーポレートPPA案件等、EPC・インフラ・再エネ取引の業務分野が大きく拡大しました。
(その他の業務領域)
上記の業務のほか、品質検査に関する不適切事案での危機管理・不正調査(第三者委員会の委員就任及び調査の実行)、日本企業と外国企業との提携上の制限的合意に関する独禁法・海外競争法の調査、制裁対象国への送金に関するOFAC規制対応、日本企業の海外事業に伴う個人情報漏洩事案への対応等の業務領域について、クライアント企業の皆様からのご相談を承りました。
■ 法務部支援の強化 - TKIリモート・インハウスサービスの導入企業の増加、TKIインハウス・アソシエイト・プログラム(企業の法務部からの研修出向の受入れ)の開始
法律問題が複雑化・多様化する一方、法務人材は慢性的に不足している状況にあります。当事務所は、企業の法務部をご支援するため、「TKI リモート・インハウスサービス」を提供しています。TKIリモート・インハウスサービスは、当事務所の弁護士等が企業の法務部員の一員として各クライアント企業の法務部のニーズに沿ってカスタマイズしたサービスです。2022年は導入企業数が大幅に増えました。本年もご支援先の法務部の皆様方にご満足いただけるよう、サービス内容の向上に努めて参ります。
昨年、TKIリモート・インハウスサービスを担当した弁護士による座談会を行いましたので、ぜひ対談記事もご覧ください。
「TKIリモート・インハウスサービス」で法務機能を強化する!顧問契約や出向とも違う、新しい弁護士活用のカタチ
また、本年より、クライアント企業の法務部員の研修制度として、法律事務所への研修出向を受け入れるプログラム(「TKIインハウス・アソシエイト・プログラム」)を開始します。有望な若手の法務部員の法律事務所での研修にご関心のある企業の法務部からのお問い合わせをお待ちしております。
詳細は、以下のご案内をご覧ください。
TKIインハウス・アソシエイト・プログラムのご案内 - 企業の法務部から法律事務所への出向(研修)
■ 2023年新春の抱負 - 更なる体制強化に向けて
当事務所は、2023年も、クライアント企業の皆様を全力でご支援し、更なる体制整備に取り組んで参ります。本年は、弁護士等30名の規模を視野に入れるだけでなく、4月に第一期の新卒秘書を迎え、これまで強化すべく取り組んできた弁護士・秘書の採用から育成までのサイクル構築も一段落となり、今後の更なる成長の基盤が整うことになります。
弁護士等(日本法資格、外国法資格)の採用については、クライアント企業の多様なニーズに応えられるよう、多様な経歴と経験豊富な中途弁護士の採用に努めております。また、新人弁護士の採用では、昨年からサマー・インターンと主要大学からのエクスターンの受入れを開始しました。今冬からは、Winter Clerk(Spring Clerk)も開始し、優秀な新人弁護士に参画してもらえるよう採用の強化を進めています。
当事務所では、若手弁護士の育成に力を注いでおり、実際の案件をベースに練り上げた実践的かつ最先端の弁護士研修プログラム(Immersion Program)を用意しています。Japan Practice CourseとGlobal Practice Courseで約30の実践型の講座をそろえ、若手弁護士を育成したうえで、クライアント企業の業務に実戦配備する体制を整えています。
また、国際業務の対応強化のため、欧米、アジア等の世界50-60か国の200を超える既存の連携先弁護士との関係をさらに強化して参ります。
本年も、実践から得られたノウハウを抽出し、ニュースレター、弁護士のインタビュー企画、各種セミナー等、クライアント企業の皆様のお役に立てる質の高い情報提供にも努めて参ります。
以上の取り組みを通じて、本年も付加価値の高いリーガルサービスをご提供して参ることをお約束します。
本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。
2023年 新春