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海外子会社・買収先の法務・コンプライアンス監査サービスのご案内

海外子会社・買収先の
法務・コンプライアンス監査サービスのご案内

海外子会社・買収先の法務・コンプライアンス監査は手つかずの課題

海外子会社・買収先の法務・コンプライアンス監査は、多くの日本企業にとって、手つかずの課題となっています。特に2020年2月以降、コロナ禍の影響もあり海外子会社・買収先への往査を行うことが難しく、本社側で海外拠点の法務・コンプライアンス面の課題が見えていないことも少なくないのではないでしょうか。また、海外M&Aで買収した先は、DD期間が短かったり、オークション等で十分な情報の収集、分析ができず、法務・コンプライアンス面の課題が十分に把握できていないケースもあるかもしれません。

海外子会社・買収先は「パンドラの箱」か?

日本企業の多くは、2000年代から2020年代にかけて、国内市場の縮小を背景に、海外進出や海外M&A等を推進し、海外拠点を増やしてきました。その後、金融危機やコロナ禍等により、業績面が悪化して選択と集中、リストラや売却が課題となるほか、海外子会社・買収先で不正や不祥事が発生する等の問題が露見し、海外子会社の不正や不祥事事案が公になってしまうケースも増えています。いわゆる「パンドラの箱」が開いてしまった事例ともいえます。

以下は、近年、当事務所において、海外子会社・買収先で発見された問題について実施した調査、改善策の対応の主な事例です。このような事例が内部告発等で外部に漏洩することは上場企業にとって「悪夢」です。外部漏洩する前に、内部調査で早期に発見し、対策をとることが重要です。

(グループ会社・買収先で発覚した問題事例)

  • 日米における競争法上の問題への対応
  • 米国、中国、韓国でのFCPA(外国公務員贈収賄罪)嫌疑に関する調査
  • アジアでの不正会計、贈収賄に関する調査
  • 英国からイランへの輸出規制取引に関する調査
  • 海外拠点における贈収賄・マネーロンダリング防止態勢の整備及び事案の調査
  • 欧米・アジアでの個人情報保護法対応に関する調査と体制整備
  • ミャンマーへの送金に関するOFAC規制に関する調査・対応

海外子会社・買収先の法務・コンプライアンス監査サービスのご案内

しかしながら、海外子会社・買収先の監査について、経験とノウハウが十分ではなく、また経験ある人材等のリソース不足の問題を抱える上場会社は少なくなく、ご相談を受ける機会が増えています。

当事務所では、リモートベースで海外子会社・買収先の法務・コンプライアンス監査の支援を行っています。クライアント企業の海外事業部や経営管理部等の皆様と監査対象とする海外子会社等を選定し、不正が疑われるシナリオを想定したうえでヒアリング事項を作成し、現地のマネジメントや現場担当者へのインタビュー、アンケート等を実施して、不正の兆候の有無を調査します。例えば、カルテル、贈収賄、個人情報保護、各種業法等の重要な法令違反の有無、紛争に関する調査、データ改ざん等が対象となります。

海外子会社・買収先の監査の方法について、クライアント企業ごとの事情に応じて法務・コンプライアンス監査の「型」作りをご支援し、自社での監査体制が整うようにノウハウをご提供します。ご要望に応じて、現地への往査の同行も行います。

また、オプションとして、会計不正の問題についても、提携先の会計事務所と連携して調査を実施します。

監査業務のポイントとフロー・イメージ

海外子会社・買収先の法務・コンプライアンス監査を効果的に行うため、監査先の海外子会社と拠点を選定することが重要です。海外拠点が多数にわたる場合には、複数回に分けて主要拠点をカバーするように計画します。監査対象先の所在する国・地域によって、典型的にリスク度の高い領域がありますので、その傾向を踏まえて、重点調査事項を決定します。例えば、中華圏では会計不正の違反事例が多く、アジアでは贈収賄の違反事例が多く、米国では紛争や法令順守等の調査項目が、欧州ではGDPRの対応も要検討事項です。

海外子会社・買収先について効率的な監査を実施するため、フェーズを二段階に分けて実施します。フェーズ1の調査で問題点を絞り込み、問題点の兆候が発見された場合には、現地専門家やフォレンジック調査のベンダーを起用して、フェーズ2の調査を実施し、検知された問題点に焦点を当てて調査を実施します。フェーズ1の調査は、デスクトップ調査、及び監査先の役職員等へのWebによるヒアリングを実施する方法によって実施します。また、現地往査への同行のご要望があれば、現地への往査の同行も行います。

ご参考のため、一般的な監査業務のフロー・イメージを以下に記載します。実際のフェーズ1の監査と報告書の作成は3か月程度とし、事前準備から報告書の作成まで全体で6か月の計画工程としています。一般的なものですので、ご相談いただいたクライアント企業様ごとに、想定される不正や不祥事の傾向を踏まえ、具体的な監査計画を立て、事情に合わせた監査業務フローにカスタマイズします。各社ごとのご参考にしていただければ幸いです。

(監査業務のフロー・イメージ)

項目 業務内容 所要期間
(目安)
 (フェーズ1)
 事前調整
  • 法律事務所、会計事務所等の外部専門家の選定
  • 関連部門への説明と協力の同意取得
1か月程度
 監査の具体的な
 進め方の検討・
 決定
  • 監査先の海外子会社・買収先、拠点の決定
  • 監査項目の設定(監査チェック事項の作り込み)
  • ヒアリング対象者の選定(マネジメント、スタッフ)
  • 監査日程計画の作成
  • (現地往査を伴う場合)往査先の検討
1か月程度
 事前準備
  • 買収先のDDレポート(あれば)の検討、未対応事項の洗い出し
  • 法務部、経理部門、その他の関連部門との事前準備の打合せ
1か月程度
 監査通知・監査
 チェック事項/
 アンケート事項の
 事前送付
  • 監査実施を現地拠点に通知
  • 監査チェック事項/アンケート事項の事前送付
  • 監査チェック事項/アンケートの回答、依頼資料の回収と検討(懸念事項が判明すれば、特に重点的にヒアリングを実施)
1か月程度
 ヒアリング実施・
 現地往査
  • ヒアリング実施(弁護士・会計士によるヒアリングは、Webでの実施を想定)
    ※ヒアリングは、対象者の人数、追加のヒアリング事項の発生により複数回となることもあり
  • (現地往査を伴う場合)現地での視察・面談
1か月程度
 結果の取りまとめ・
 報告
  • 監査結果報告書の取りまとめ
  • フェーズ1の結果報告
1か月程度
 (フェーズ2)
 追加調査
  • フェーズ1で発見された問題点について、必要に応じ、深度の深い追加調査(例えば、不正の兆候を発見した場合のフォレンジック調査等)
    ※必要に応じ、現地専門家、フォレンジック業者を起用する
別途検討
 改善措置
  • フェーズ1で発見された問題点についての改善措置の検討・実施(例えば、カルテル、贈収賄等のコンプライアンス体制の整備、内部通報制度の整備等)
別途検討

私どもに何かお手伝いできることがあれば、ぜひお気軽にお問合わせください。